婚姻届の証人は誰を選ぶ?頼むときの作法や記入時の注意点も解説
結婚を公的に認めてもらうために必要なのが、婚姻届の提出です。
婚姻届には証人欄があり、「誰に頼めばいいの?」と悩むカップルも少なくありません。
今回は婚姻届の証人の選び方や頼むときのマナーを解説します。
証人欄を記入するときの注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
婚姻届の証人とは
婚姻届における証人の役割や証人になるための条件を解説します。
【条件(1)】婚姻届の証人の役割
証人の署名は婚姻届の内容を公的に認めてもらうために必要とされています。
民法第739条に「婚姻届は、当事者双方及び成年の証人2名以上が署名した書面で、またはこれらの者から口頭で、しなければならない」と定められているためです。
偽装結婚や強引な婚姻届の提出を防止するためにも、ふたりに結婚の意思があることを第三者によって証明し、届出の正確性を担保する役割があります。
【条件(2)】婚姻届の証人になる条件
婚姻届の証人になる条件は、成人であることです。
2024年5月現在は18歳以上が成人と定められています。なお婚姻届の証人は2名必要ですが、必ずしも花婿と花嫁側から1名ずつ選ぶ必要はありません。
どちらか一方が2名分の証人を選ぶのも可能です。
【条件(3)】婚姻届の証人になるリスクは?
婚姻届の証人になっても、法的な責任は発生しません。
結婚後に発生した夫婦間のトラブルなどへの対応も不要です。
証人を頼む際は事前に証人になることのリスクがないことを説明すると、頼まれる側も安心でしょう。
婚姻届の証人は誰に頼む?
婚姻届の証人は成人であることの条件を満たせば、両親や兄弟、友人、上司など誰を選んでも問題ありません。
以下では証人の選び先の参考例をご紹介します。
【証人(1)】両親・家族
婚姻届の証人の頼み先としてもっとも一般的なのが両親を含めた家族です。
生まれたときから一緒に生活をともにしてきた存在であるため、気軽に頼めるのがメリットです。
カップルのうち、どちらか一方の両親に2名分の証人を依頼する場合、もう一方の両親にあらかじめその旨を伝えておくと角がたたないので安心です。
【証人(2)】友人
親しい友人を婚姻届の証人に選ぶカップルも珍しくありません。
新郎新婦の共通の友人であれば、結婚を見届ける証人としてもぴったりです。
【証人(3)】上司
職場の上司に婚姻届の証人を頼むケースもあります。
日頃からお世話になっているお礼の気持ちも込めてお願いすれば、快く引き受けてくれるでしょう。
婚姻届の証人を頼む際の作法・マナー
婚姻届の証人を頼む際に明確なルールはありませんが、相手を不快にさせないためにも以下の作法やマナーを守りましょう。
- 【1】あらかじめ証人を頼むことを伝える
- 【2】お礼をする
【1】あらかじめ証人を頼むことを伝える
婚姻届の証明欄には氏名や生年月日のほか、本籍地の記入も必要です。
いきなり婚姻届を渡して記入を頼んでしまうと、「住所はすぐに書けても、本籍地がわからない」というパターンもあります。
事前に証人になってほしい旨を伝えて、記入が必要な内容を伝えておくと、相手に手間がかかりません。
また現在、押印は任意になっていますが、押印してほしい場合は印鑑の準備も事前にお願いしておきましょう。
【2】お礼をする
婚姻届の証人を頼む際には、お礼の気持ちを込めて菓子折りを渡すのがおすすめです。
高価すぎる品物はかえって気を使わせてしまうので、3,000円程度の品物が無難です。
また婚姻届が正式に受理された後に、無事に提出できたことを報告しましょう。
証人欄の内容に問題がなかったことがわかるので、相手も安心できます。
婚姻届の証人欄の記入方法・書き方の注意点
婚姻届の証人欄の記入方法や書き方の注意点を解説します。
記入する内容
証人欄に記入する内容は以下です。
- ●証人の署名
- ●生年月日
- ●住所
- ●本籍
記入するペンはシャーペンやこすって消えるタイプのペンではなく、黒色の消えないペンを使用してください。
住所や本籍地はハイフンを使ってはいけません。住民票や戸籍謄本に記載されているとおりに記入しましょう。
押印は自由
2021年9月から婚姻届にする押印は任意に変更されました。
押印する場合は、公的書類にふさわしい印鑑を使用し、ゴム印の使用は避けましょう。
なお同じ名字の2名が証人になるとき、同じ印鑑は使用できません。
別々の印鑑が必要になることに注意しましょう。
外国人が記入するケース
外国人が証人になる場合は、以下のとおり記入方法が少し異なるので気をつけましょう。
- 【署名】フルネームをカタカナで記入
- 【生年月日】西暦で記入
- 【住所】住民登録先を記入
- 【本籍】国籍を記入
修正は二重線で
修正が必要な場合は誤って記入した部分を二重線で消して、欄内の余白に正しい内容を記入します。
修正液や修正テープは使用できない点に注意が必要です。
なお細かい修正方法は自治体によって異なるため、担当の窓口に問い合わせると安心です。
または訂正するよりも、予備の婚姻届に記入して提出するのがおすすめです。
まとめ
婚姻届の証人は成人であれば誰に頼んでも問題はなく、証人になる方にもリスクは生じません。
ただしマナーを守って依頼することが重要です。
気持ちよく証人を引き受けてもらえるように準備して、スムーズに婚姻届を提出できるようにしましょう。
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